泊発電所における中長期対策等の進捗状況について |
2012年6月29日
泊発電所における定期点検中等の冷温停止状態及び燃料交換においては、これまで非常用ディーゼル発電機は号機ごとに1台が使用可能であれば良いとしておりましたが、今回、全ての燃料が原子炉格納容器外にある場合を含め2台に変更します。ついては、定期検査時に非常用ディーゼル発電機の点検作業によって1台になる場合があることから、複数号機間で共用することができる非常用発電機の設置について検討を進めてまいります。
なお、新たな非常用発電機の設置までは、他号機の非常用ディーゼル発電機または移動発電機車を非常用発電機として運用いたします。
泊発電所では、更なる安全性向上対策のため、配備済みの移動発電機車に加え、低温停止状態への移行に必要な電源を確保するため、移動発電機車を約2年以内を目途に追加配備します。
炉心および使用済燃料を冷却するための発電所内水源の信頼性向上の中長期対策として、新規貯水設備を設置します。また、浸水高さ海抜15mの津波が襲来しても敷地への浸水を防止する防潮堤を設置します。
原子炉格納容器内の気体を大気に放出する原子炉格納容器フィルタ付ベント設備の設置に向けた技術的な検討を行っていきます。
発電所内水源の信頼性向上対策である、発電所後背地高台への新規貯水設備は平成26年度を目途に設置します。
「防潮堤の設置」について、4月25日、防潮堤の占有範囲と建物・構築物との位置関係等を確認するための現地測量・調査を開始しました。
更なる安全性向上対策として、新規に免震重要棟を泊発電所の高台後背地に平成27年度の完成を目途に建設します。また、防潮堤の高さを海抜16.5mに決定しました。中長期対策として、海水ポンプ電動機予備機を平成24年4月に配備しました。
中長期対策として、移動発電機車を平成24年6月22日に配備しました。
当社は、泊発電所の緊急安全対策に加え、たゆまぬ取り組みとしての中長期的な対策を計画的に進めています。
至近の進捗状況をお知らせします。
- 原子炉格納容器フィルタ付ベント設備の設置、非常用発電機の配備スケジュール
万一事故が発生した時に原子炉格納容器が過圧により破損しないように、原子炉格納容器内の気体を大気に放出する際、発電所周辺への放出される放射性物質の量を低減するための原子炉格納容器フィルタ付ベント設備については、平成27年度を目途に設置することにしました。
また、泊発電所では、1、2、3号機とも非常用ディーゼル発電機を各2台設置していますが、定期検査時には、点検作業によって動作可能な台数が1台に制限される時期があること、更に、自然災害等による機能喪失や故障を考慮し多重性、多様性の強化の観点から、空冷式の新たな非常用発電機を津波の影響を受ける恐れのない高台に、平成27年度を目途に配備することにしました。
なお、新たな非常用発電機の設置までは、他号機の非常用ディーゼル発電機または移動発電機車を非常用発電機として運用いたします。 - 今後の取り組み予定
防潮堤の設置工事(4月25日測量等開始、8月着工予定)、代替海水取水ポンプ(送水車)の配備(9月)に加え、発電所後背地高台への新規貯水設備、水素爆発防止対策(水素濃度の低減)、免震重要棟などについても設計、施工等を進めています。
今後も引き続き、今回の事故に至った原因や経緯についての情報収集に努めるとともに、必要に応じて適切な対策を実施し、泊発電所の安全確保に万全を期していきます。
【参考資料】
泊発電所における中長期対策等の実施状況(参考資料-1/2) [PDF:338KB]
泊発電所における中長期対策等のスケジュール(参考資料-2/2) [PDF:19KB]