泊発電所原子炉施設保安規定変更認可の申請について |
2011年4月21日
4月9日、原子力安全・保安院より「非常用発電設備の保安規定上の取扱いについて(指示)」を受領しました。
指示文書の内容は以下のとおりです。
【原子力安全・保安院からの指示内容】
4月7日宮城県沖地震時に東北電力東通原子力発電所において、3台設置されている非常用ディーゼル発電機が全て動作可能でない状態※となった。
当該事象を受け、
現行の保安規定では、定期検査中等の冷温停止状態(一次冷却材の温度が93℃以下の状態)及び燃料交換においては、原子炉ごとに非常用ディーゼル発電機が1台動作可能であることを要求しているが、2台動作可能(同一発電所に複数炉ある場合には、必要な非常用交流高圧電源母線に他号機に設置された非常用発電設備から受給可能な場合の台数を含む。)とするよう、保安規定を4月28日までに変更することを求める。
と、言うものである。
- ※ 東北電力東通原子力発電所の状況
東通原子力発電所(定期検査中)には3台の非常用ディーゼル発電機が設置されているが、2台が定期点検中で、1台が運転可能状態であった。
宮城県沖地震により、全外部電源が喪失し、非常用ディーゼル発電機が起動し、電源の確保を行ったが、その後、外部電源が復旧したものの、運転中の非常用ディーゼル発電機燃料循環ポンプから油漏れが確認されたことから手動停止した。なお、この状態は、3台全ての非常用ディーゼル発電機が動作可能でない状態となったことから、保安規定で定める運転上の制限逸脱となったものである。
当社泊発電所では、非常用ディーゼル発電機は、泊1、2、3号機とも各2台設置していますが、定期検査時には、点検作業によって動作可能な台数が1台に制限される時期があります。その間は、2台動作可能な状態とはなりませんが、全交流電源喪失時においては他号機の非常用ディーゼル発電機からの受電が可能となっております。
今後、本指示を受け、詳細検討を行うとともに、保安規定の変更など必要な措置を行うこととします。
当社は上記指示に基づき、「泊発電所原子炉施設保安規定」(以下「保安規定」)の変更認可を、本日、経済産業大臣に申請しましたので、お知らせいたします。
今後、経済産業省による審査を受けてまいります。
泊発電所における定期点検中等の冷温停止状態及び燃料交換においては、これまで非常用ディーゼル発電機は号機ごとに1台が使用可能であれば良いとしておりましたが、今回、全ての燃料が原子炉格納容器外にある場合を含め2台に変更します。ついては、定期検査時に非常用ディーゼル発電機の点検作業によって1台になる場合があることから、複数号機間で共用することができる非常用発電機の設置について検討を進めてまいります。
なお、新たな非常用発電機の設置までは、他号機の非常用ディーゼル発電機または移動発電機車を非常用発電機として運用いたします。
【保安規定の変更概要】
泊発電所の定期検査中等の冷温停止状態に必要なディーゼル発電機の基数を、以下のとおり変更します。
保安規定 | 運転状態 | 必要基数 |
---|---|---|
変更前 | 冷温停止状態及び燃料交換時 | 1基 |
変更後 | 冷温停止状態、燃料交換時及び全ての燃料が原子炉格納容器外にある場合 | 2基※ |
- ※ ディーゼル発電機には、複数の号機で共用することができる非常用発電機1基を含めることができる。