当社知内発電所1号機の復旧について(最終報) |
2012年6月20日
当社知内発電所1号機(所在地:上磯郡知内町、定格出力:35万kW、使用燃料:重油)は、蒸気タービンの振動が上昇したことにより、6月14日9時32分に停止いたしました。
現在、原因調査を進めておりますが、振動発生時の機器データを基に評価した結果、グランド蒸気温度が通常よりも高かったことによりタービン軸と軸受部のフィンが接触したために振動上昇に至った可能性が高いものと推定いたしました。
復旧に向けましては、極力早期の運転再開に向け、現在、グランド蒸気系統の改造によりグランド蒸気温度の低減を図る応急対策の検討を進めています。また、期待どおりのグランド蒸気温度低減効果を得られなかった場合に備えた復旧方法についても検討を進めているところです。その場合は、復旧に長期間を要することが考えられます。
今回、グランド蒸気※1温度が通常より高かった原因は、蒸気タービンの加減弁※2からグランド蒸気系統へ漏れ込んでいる高温の蒸気の量が多いことによるものと特定いたしました。
加減弁からの漏れ込み蒸気量を低減するための恒久対策の実施には、長期間の停止が必要となることから、早期復旧に向け応急対策の検討を行ってきました。この検討の結果、グランド蒸気系統に弁を追加設置して漏れ込んでいる蒸気の流量を調整することにより、グランド蒸気温度を低減できるものと判断いたしました。
このため、現在、上記の応急対策作業を進めています。対策効果を確認する試運転を経て、今週中の復旧を予定しています。
応急対策が有効だった場合は、通常運転時の設備状況や需給状況を見ながら恒久対策の実施時期を判断いたします。仮に、応急対策により期待どおりの効果が得られなかった場合は、早急に恒久対策を講じますが、復旧までの間は厳しい需給状況も予想されます。
知内発電所1号機については、応急対策後の試運転により、応急対策が有効であることを確認したことから、本日5時00分に復旧いたしました。
なお、恒久対策の実施時期については、今後の設備状況や需給状況を見ながら判断することといたします。
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※1
グランド蒸気:タービン軸受部からの蒸気漏出あるいは空気流入を防止するための蒸気。
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※2
加減弁:タービンに入る蒸気の流量を調整し、タービン回転数および発電機出力を制御するための弁。
知内発電所1号機の復旧に伴い、本日の当社のピーク時供給力は500万kW、予想最大電力は395万kW、供給予備力は105万kWとなります。
<本日(6月20日)の需給状況>
(単位:万kW)
変更後 | 変更前 | |
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ピーク時供給力 | 500 | 465 |
予想最大電力 | 395 | 395 |
供給予備力 | 105 | 70 |