原子力安全・保安院からの指示文書 平成23年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全・保安院における検討に際しての意見の追加への対応に係る報告について |
2011年8月30日
本日(6月6日)、原子力安全・保安院より「平成23年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全・保安院における検討に際しての意見の追加への対応について(追加指示)」を受領しました。
今回の指示文書は、4月28日付の原子力安全・保安院からの指示文書(平成23年5月2日 お知らせ済み)の追加指示となるものです。
指示文書の内容は以下のとおりです。
【原子力安全・保安院からの追加指示内容】
耐震設計上考慮しないと評価している各々の断層等に応じて必要な距離の範囲内において、本年3月11日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量及び地震の発生状況の調査を実施し、考慮すべき断層に該当する可能性が否定できない場合は、地表踏査等を行い、その結果を本年8月31日までに報告することを求めます。
当社は、本指示を踏まえ、平成23年3月11日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量や地震の発生状況の調査等を実施し、その結果を平成23年8月31日までに原子力安全・保安院に報告いたします。
なお、泊発電所周辺は、この度の東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動の影響は小さく、地震活動も活発になっていないことから、これまでの泊発電所周辺の活断層評価への影響はないものと考えられます。
当社は上記指示に基づき、泊発電所において耐震設計上考慮しないと評価している断層等(※1)の周辺において、平成23年3月11日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動および地震の発生状況の調査を実施し、考慮すべき断層に該当する可能性について検討を行い、その結果について、本日、原子力安全・保安院に報告しました。
検討は、国土地理院発表のGPS観測結果、気象庁の震源分布、地震調査研究推進本部地震調査委員会の評価等の公開されたデータ(※2)により実施しました。
地殻変動については、国土地理院の報道発表資料、国土地理院によるGPS観測システムの連続観測データ等より、東北地方太平洋沖地震による泊発電所周辺の各測点での地殻変動に顕著な差異は認められないこと、4月以降の地殻変動量は収束傾向にあること等を確認し、また、地殻変動によるひずみの顕著な変化が認められないことを確認しました。
地震の発生状況については、泊発電所周辺では、東北地方太平洋沖地震前後において、地震発生状況の顕著な変化は認められないこと、東北地方太平洋沖地震以降、耐震設計上考慮しないと評価している断層等の付近では顕著な地震活動は認められないことを確認しました。
以上のことから、5月31日に報告した耐震設計上考慮しないとしている断層等の評価に影響を与えるものではないと判断しました。
なお、今後も、今回の地震に関する情報収集に努め、新たな知見については今後の評価に適切に反映していきます。
※1 耐震設計上考慮しないと評価している断層等
陸の断層等 | 発足南リニアメント、発足北リニアメント、三和付近の断層、上目名付近の断層、角十川付近の断層、白井川付近の断層、熱郛赤井川付近の断層、樽岸リニアメント、歌棄リニアメント、F-1断層~F-11断層 |
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海の断層等 | FS-13断層、FS-14断層、FE-1断層 |
その他 | 積丹半島西部の海成段丘 |
※2 検討対象とした主な公開情報のリスト
国土地理院
- 平成22年12月の地殻変動について
- 平成23年1月の地殻変動について
- 平成23年2月の地殻変動について
- 平成23年3月の地殻変動について
- 平成23年4月の地殻変動について
- 平成23年5月の地殻変動について
- 平成23年6月の地殻変動について
- 平成23年7月の地殻変動について
- 191回地震予知連絡会資料 GPS連続観測から推定した日本列島の歪み変化
地震調査研究推進本部
- 平成22年12月9日地震調査委員会 2010年11月の地震活動の評価
- 平成23年1月9日地震調査委員会 2010年12月の地震活動の評価
- 平成23年2月9日地震調査委員会 2011年1月の地震活動の評価
- 平成23年3月9日地震調査委員会 2011年2月の地震活動の評価
- 平成23年4月11日地震調査委員会 2011年3月の地震活動の評価
- 平成23年5月11日地震調査委員会 2011年4月の地震活動の評価
- 平成23年6月9日地震調査委員会 2011年5月の地震活動の評価
- 平成23年7月11日地震調査委員会 2011年6月の地震活動の評価
- 平成23年8月5日地震調査委員会 2011年7月の地震活動の評価
主な研究機関
- 京都大学防災研究所地震予知研究センター
- 名古屋大学大学院環境学研究科
- 弘前大学理工学部地球環境学科