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プレスリリース 2011年度

「泊発電所の外部電源の信頼性確保に係る開閉所等の地震対策について(報告)」の提出について

2011年7月7日

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所内の開閉所における遮断器等が地震によって損傷を受けた事象に基づく知見を踏まえた、原子力安全・保安院からの指示文書「原子力発電所等の外部電源の信頼性確保に係る開閉所等の地震対策について(指示)」を6月7日、受領しました。
 指示内容は以下のとおりです。

【原子力安全・保安院からの指示内容】

 原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、原子力発電所等の外部電源の信頼性確保についての指示に係る報告を、平成23年5月16日に各一般電気事業者から受け、本日、当該報告に対する評価を行った。

 これらの評価及び報告を踏まえ、外部電源の信頼性を確保する観点から、以下の事項について実施することを求める。また、その実施状況について、平成23年7月7日までに当院に報告することを求める。

  1. 平成23年東北地方太平洋沖地震により東京電力株式会社福島第一原子力発電所において観測された地震観測記録の分析結果を踏まえ、一般電気事業者等の原子力発電所等において開閉所等の電気設備が機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性についての影響評価。
  2. 上記1.において機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性があると評価された場合、当該設備に対する地震対策の策定。

(平成23年6月8日お知らせ済み)

 当社は、上記指示に基づき、泊発電所の開閉所設備等の電気設備が機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性の影響評価等について、検討結果を、本日、原子力安全・保安院に報告しました。

  1. 当社の影響評価対象設備について
     今回の福島第一原子力発電所の1号機及び2号機の遮断器等の損壊を踏まえ、泊発電所においても、同様の開閉所設備について影響評価を行いました。
     また、開閉所設備で受電した後に電圧を変換する変圧器についても、大型機器であることから、影響評価することとしました。
  2. 影響評価手法
     原子力発電所の開閉所設備と変圧器は、一般産業施設と同等の耐震安全性を保持すればよいものと位置付けられています。
     しかし、今回の影響評価では、地震の振動による機器の共振※1も考慮している日本電気協会の規格であるJEAG5003-2010「変電所等における電気設備の耐震設計指針」による評価を実施し、機器の耐震上の裕度(地震動※2により各部位に発生する応力※3とその部位の許容応力の比率)を確認することとしました。
    1. (1)開閉所設備
       地震動の想定においては、周波数は評価対象機器の共振周波数、加速度は過去の地震のほとんどをカバーできる地表面での3m/s2(=300Gal)とされています。
       また、過去の大規模地震データを踏まえ、評価において振動を加える時間は、機器に生じる加速度を地表面での加速度の約6.1倍に増幅するものを用いることとされています。
       評価では、振動により機器の各部位に生じる応力を算出して、許容値と比較し、機器の倒壊、損傷等の可能性について評価します。
    2. (2)変圧器設備
       変圧器本体は共振周波数が高いため、地震動と共振する可能性が極めて小さいことから、加速度が一定に加わるものとして倒壊する恐れがないかを評価することとされています。
       加速度の想定は、開閉所設備と同様の地表面での3m/s2を基に、変圧器が設置されている基礎の影響等を考慮して、5m/s2(=500Gal)が変圧器本体に加わるものとされています。
       評価では、加えられた加速度により変圧器を固定する基礎ボルト等に生じる応力を算出して、許容値と比較し、変圧器倒壊の可能性について評価します。
  3. 評価結果
     泊発電所における開閉所設備、変圧器設備について、JEAG5003-2010の手法による評価上の裕度を表1、2に示します。ここで、「評価部位」には裕度が最も小さい部位を記載しています。
    表1 泊発電所の開閉所設備に対する評価状況について
    設備 電圧階級 仕様 裕度 評価部位
    1・2号機
    共用
    66kV ガス絶縁開閉装置
    (GIS)
    2.88 ブッシングタンク架台部
    1~3号機 275kV ガス絶縁開閉装置
    (GIS)
    1.93 GIS支持架台部

    ※しゃ断器、断路器などを含む

    表2 泊発電所の変圧器設備に対する評価状況について
    号機 変圧器名称 電圧 裕度 評価部位
    1号機 起動変圧器 280/6.9kV 2.32 基礎耐震金具部
    1・2号機
    共用
    予備変圧器 64.5/6.9kV 4.04 基礎ボルト
    2号機 起動変圧器 280/6.9kV 2.32 基礎耐震金具部
    3号機 主変圧器/
    所内変圧器
    275/21kV 1.82 基礎耐震金具部
    21/6.9kV
    予備変圧器 280/6.9kV 7.94 基礎耐震金具部

    ※3号機主変圧器、所内変圧器は一体型である。

     開閉所設備については、加速度の増幅率(振動により機器に生じる加速度と地表面での加速度の比)が更に1.3倍となる振動を想定することで過去の地震データをほぼカバーできることから、上記の評価において、1.3以上の裕度があれば、過去の大規模地震を考慮しても機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性は低いものと見なすことができます。
     また、変圧器については、地震と共振する可能性が極めて小さいことなどから、裕度が1.0以上であれば、機能不全となる倒壊の可能性は低いものと見なすことができます。
     以上のとおり、泊発電所開閉所設備及び変圧器設備については、いずれも裕度が上記の値を上回っていることから、機能不全となる倒壊、損傷等が発生する可能性は低いものと考えます。
  4. 今後の対応について
     今回、開閉所設備と変圧器については、JEAG5003-2010の手法にて耐震性を評価しました。
     しかし、今回の福島第一原子力発電所の1号機、2号機における遮断器等の損傷については、今後も東京電力において原因の究明等の詳細な評価が行われると聞いております。
     今後、これらの評価結果に基づく新たな知見の反映要否を含めて、改めて検討を実施し、報告することとします。
  • ※1

    共振
    物体に固有振動数(物体を自由に振動させた際に検出されるその物体固有の振動数)と等しい振動が外部から加わると振動の幅が大きくなる現象

  • ※2

    地震動
    地震によって発生する揺れ

  • ※3

    応力
    物体が外力を受けたときに、それに応じて内部に抵抗力(内力)が生じる。単位面積当たりの内力を応力という。

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