泊発電所1号機および2号機 経済産業省からの指示文書に基づく根本原因分析結果の報告について |
2010年1月22日
第14回定期検査中の泊発電所2号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力57万9千kW)において、平成21年8月2日、制御棒駆動装置動作試験※1を行っていましたが、中性子源領域中性子束高による原子炉トリップ機能※2が必要であるところ、動作機能が解除されていることを確認しました。
この状況は、保安規定第33条に定める運転上の制限※3を満足しないことから19時18分に運転上の制限を逸脱していたと判断しました。
同時に、原子炉トリップしゃ断器※4を開放し、運転上の制限の逸脱を解除しました。
その後、泊発電所1号機、2号機および3号機について、同様の状況の有無を確認した結果、泊発電所1号機第15回定期検査における制御棒駆動装置動作試験(平成20年11月23日および30日実施)においても、運転上の制限を満足しない状況であったことを確認しました。
平成21年8月7日、経済産業省より、本事象が保安規定第33条第1項※5および第86条第1項※6に違反していると判断され、指示文書を受領しました。
当社は、指示文書に基づき、平成21年9月4日、原因と再発防止策を取り纏め、経済産業省に報告しました。
当社としては、報告した再発防止策を確実に実施するとともに、今後、根本原因分析を行ってまいります。
本件について、経済産業省の指示文書に基づき根本原因分析※7を行い、その結果を取りまとめ、本日、経済産業省へ報告しました。
今回、根本原因を分析するにあたっては、社内に新たに設置した根本原因分析チームが、関係者へのインタビュー、マニュアル、記録などから事実関係を再度詳細に調査しました。
その調査結果を踏まえ、抽出された問題点の背後要因を分析し、以下の2点を根本原因として抽出しました。
- 保安活動を実施する上で、保安上重要な事項の追加・変更が生じた際に、品質マネジメントシステム(QMS)※8に一連の活動(社内周知の実施、社内規程への反映、教育の要否・実施方法の検討・実施など)を確実に反映するための仕組みが不十分であった。
- 常にプラントの運転状態に注意を払う姿勢、安全側に運転上の制限の逸脱判断を行う意識が不足していた。
なお、これらの根本原因に対する再発防止策については、今後、作成する具体的な対策実施計画をもとに、確実に実施するとともに、その有効性を評価していきます。
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※1
制御棒駆動装置動作試験
制御棒が正常に引き抜き・挿入できることを確認する試験。 -
※2
中性子源領域中性子束高による原子炉トリップ機能
原子炉臨界前の状態において急激な中性子の密度上昇により制御棒を自動的に挿入させ、原子炉を安全に停止させるために必要な機能。 -
※3
運転上の制限
保安規定では原子炉の運転状態に応じ、「運転上の制限」などが定められており、保安規定第33条では、原子炉トリップしゃ断器が閉じ、制御棒の引き抜きができる状態において中性子源領域中性子束高による原子炉トリップ機能が要求されている。 -
※4
原子炉トリップしゃ断器
制御棒駆動装置への電源を供給・しゃ断する機能を有する装置。 -
※5
保安規定第33条第1項違反
「原子炉保護系計装のうち、中性子源領域中性子束高がモード5(a)において動作可能であること」に対して、当該計装が阻止されており、動作可能であることを満足していなかった。 -
※6
保安規定第86条第1項違反
「運転上の制限を満足していないことを速やかに判断する」に対して、運転上の制限を満足していない状況を確認していたにもかかわらず、事実確認に時間を費やしたため、速やかな判断が行われなかった。 -
※7
根本原因分析
事実関係を再度詳細に調査し、抽出された問題点の背後要因を分析し、根本原因を抽出して、改善する措置をとること。フローは以下のとおり。
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※8
品質マネジメントシステム(QMS)
原子力発電所の保安活動を行うため、品質に関して組織を指揮し、管理するための方針および目標を定め、その目標を達成するためのシステム。
【添付資料】
根本原因と再発防止策 [PDF:18KB]
参考資料(平成21年9月4日報道発表添付資料) [PDF:23KB]