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食品の安全性

食品や飲料水に含まれる放射性物質の規制基準

食品中の放射性物質に関する規制を強化

国は、2012年4月に、より一層食品の安全と安心を確保するため、放射性物質を含む食品からの被ばく線量の上限を、年間5ミリシーベルト(暫定規制値※1)から、年間1ミリシーベルトに引き下げました。
年間1ミリシーベルトは、食品の国際規格を策定するコーデックス委員会※2が、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を踏まえて定めている、「これ以上放射線防護対策を講じる必要がない」とされる値です。
この上限をもとに、食品中に含まれる放射性物質の基準値が設定されています。

  1. ※1国が、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、同月17日、高濃度に放射性物質を含む食品が流通しないよう、食品の安全性を確保するための緊急時の対応として定めたもの。
  2. ※2国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が1963年に設立した、食品の国際基準(コーデックス基準)を作る政府間組織。消費者の健康を保護するとともに、食品の公正な貿易の促進を目的としている。

子どもからお年寄りまですべての世代に配慮した基準値

基準値は、食品から受ける放射線の総量が年間1ミリシーベルトを超えないように設定。「飲料水」、「一般食品」、「乳児用食品」、「牛乳」の4つに区分されています。

食品中の放射性セシウムの基準値比較(ベクレル/kg)

飲料水

標準的な摂取量が1日2リットルにものぼる飲料水の基準値は「1kgあたり10ベクレル」と設定されています。
この値の飲料水を毎日2リットル摂取すると、受ける放射線量は年間約0.1ミリシーベルトです。

一般食品・乳児用食品・牛乳

「一般食品」の基準値は、「1kgあたり100ベクレル」、乳児用食品および牛乳はそれぞれ「1kgあたり50ベクレル」と設定されています。

この設定値の考え方は次のとおりです。
まず、食品から受ける放射線の総量の上限値である年間1ミリシーベルトから、飲料水による放射線量である0.1ミリシーベルトを差し引いた、残りの0.9ミリシーベルトを飲料水以外のもの(一般食品・乳児用食品・牛乳)にあてます。
次に、年齢・性別ごとに、1年間食べ続けたとしても0.9ミリシーベルトを超えない値(食品中の放射性物質濃度の限度値)を算出。このうち最も多くの食品を摂取する(=厳しい基準値が必要な)「13~18歳の男性」の限度値「1kgあたり120ベクレル」を、さらに厳しくした「1kgあたり100ベクレル」が一般食品の基準値として設定されました。
1歳未満の乳児が食べることを目的に販売される「乳児用食品」と子どもの摂取量が多い「牛乳」については、「小児への配慮が必要」との考えのもと、ともに「1kgあたり50ベクレル」と、より厳しく設定されました。

【参考文献:消費者庁「食品と放射能Q&A」(平成26年11月13日)】

流通する食品の安全性

スーパーなどに流通する食品は、各都道府県が実施する放射性物質のモニタリング検査を受けています。
この検査では、過去の検査結果などを分析し、基準値を超える可能性が考えられる品目、地域について重点的にチェックされます。
検査の結果、基準値を上回った食品は、回収・廃棄されます。また、基準値を超える食品が産出地域とその周辺地域において確認された場合(地域的な広がりが確認された場合)には、出荷が制限されます。

食品中の放射性物質の測定の流れ

このほか、厚生労働省により、定期的に流通している食品中の放射性物質を測定し、食品から人が1年間に受ける放射線量を計算する「マーケットバスケット調査」も行われています。2014年9月から10月に行われた調査では、食品中の放射性セシウムから受ける線量は、基準値(年間1ミリシーベルト)の1%以下であり、極めて小さいことが確認されています。

【参考文献:消費者庁「食品と放射能Q&A」(平成26年11月13日)、内閣府ほか「放射線リスクに関する基礎的情報」(平成27年10月)】