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TNFD提言に基づく情報開示

TNFD

ほくでんグループは、豊かな自然を有する北海道に根ざす企業として、「ほくでんグループ環境方針」に基づき、事業活動に伴う環境負荷を低減し、自然環境の保全・再興に努めるとともに、低廉で安定的なエネルギーの供給などを通じた地域経済の発展に貢献することで、「事業の持続的な成長」と「持続可能な社会の実現」を目指しています。
ほくでんグループは、TNFDの情報開示フレームワークを活用し、自然への依存・影響、自然に関連するリスク・機会の検討を深め、自然環境の保全・再興の取り組みを進めていきます。

1.戦略

  1. 事業活動と自然の接点

    事業活動と自然の関わりを把握するため、北海道電力および北海道電力ネットワークの主な供給設備の設置場所と生物多様性の保全上重要な地域(KBA)の重なりを確認しています。

    Key Biodiversity Areaの略。IUCN(国際自然保護連合)などが公表したガイドライン等の国際基準で選定された生物多様性の保全の鍵となる重要な地域。

    【主な供給設備】

    主な供給設備

  2. 自然への依存・影響

    自然への依存・影響が大きいと考えられる発電事業および送配電事業について、国際的な評価ツールであるENCOREを参考に、事業実態を踏まえ評価しました。

    Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposureの略。金融機関が自然資本に係るリスクを把握することを目的に、「自然資本ファイナンスアライアンス」と「国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター」などが開発したもの。依存・影響の度合いが高い順から、VH(Very High)、H(High)、M(Medium)、L(Low)、VL(Very Low)と評価。

    【依存】のヒートマップ
    大区分 小区分 事業
    水力 火力 原子力 地熱 風力 太陽光 送配電
    供給サービス VH VH VH VH VL
    調整・維持サービス 汚染無害化 VL VL VL VL
    汚染濾過 VL L L VL
    気候調整 VL VL VL VL VH VH VL
    暴風雨・洪水防止 H L VL L H M M
    浸食防止 H L L L M M L
    水循環維持 H M L M
    水質維持 L L L L

    自然への依存度・・・VH:非常に高い、H:高い、M:中程度、L:低い、VL:非常に低い

    【影響】のヒートマップ
    大区分 小区分 事業
    水力 火力 原子力 地熱 風力 太陽光 送配電
    資源利用 L L L L
    土地改変 陸域 L L VL L L L
    淡水域 L L L VL
    海域 L L M
    気候変動 GHG VH VL L VL
    汚染 大気 L L L
    水質・土壌 L L L L VL L L
    固形廃棄物 M L VL VL L
    その他 騒音・光害 L VL L M VL L

    自然への依存度・・・VH:非常に高い、H:高い、M:中程度、L:低い、VL:非常に低い

  3. リスク・機会

    自然への依存・影響の評価を踏まえ、自然に関連するリスク・機会を検討すると共に、リスクの緩和・回避や機会の実現に向けた主な対応策を整理しました。

    【リスク】
    大区分 小区分 リスク 事業 財務影響 発現時期 主な対応策
    物理リスク 急性 激甚化する自然災害の発生による設備被害 水力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電、送配電
    • 復旧費用や災害対策の設備・修繕費用の増加
    • 地熱発電の蒸気配管損壊に伴う長期発電停止
    短~長期
    • 過去事例や新たな知見を踏まえた設備対策
    • 迅速な復旧(訓練など)
    慢性 気象変化・降水量の低下による発電電力量の減少 水力発電、風力発電、太陽光発電
    • 発電量減少による収益減
    短~長期
    • 発電の効率向上や運用最適化
    ダム湖などの堆砂による発電電力量の減少 水力発電
    • 発電量減少による収益減
    中・長期
    • 適時適切な発電設備の保守
    取水設備への海生生物付着による発電電力量の減少 火力発電、原子力発電
    • 発電量減少による収益減
    短~長期
    • 適時適切な発電設備の保守
    気候変動に伴う海水温の上昇による発電効率の低下 火力発電、原子力発電
    • 発電効率低下によるコスト増
    短~長期
    • 発電の効率向上や運用最適化
    地下水の供給量減少による発電電力量の減少 地熱発電
    • 発電量減少による収益減
    長期
    • 未利用熱エネルギーの活用などによる発電の効率向上
    • 熱水の地中還元
    移行リスク 政策 環境規制の強化 水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電、送配電
    • 規制強化による発電所の運転制限およびコスト増
    • 規制強化による追加の設備対策コスト増
    短~長期
    • 環境規制に係る国内外動向の把握、リスク分析・評価・対応策の実施
    評判 環境対策や情報開示の遅れによる社会的評判の低下 水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電、送配電
    • ステークホルダーからの信頼の毀損
    短~長期
    • 適時適切な情報開示によるステークホルダーとの対話
    • 過去事例や新たな知見を踏まえた設備対策

    発現時期:短期:約5年、中期:約10年、長期:10年超

    【機会】
    大区分 小区分 機会 事業 概要
    (自然影響・
    財務影響)
    実現時期 主な対応策
    ビジネスパフォーマンス 資源効率/製品

    サービス
    水力発電設備における設備改良などによる効率の向上および保守運用の最適化による発電電力量の増加 水力発電
    • 河川水の効率的利用
    • 水力発電の有効活用によるGHG排出抑制
    短~長期
    • 中小水力発電所の開発、既設発電所の出力向上
    • 適時適切な発電設備の保守
    火力発電および原子力発電における取水設備への海生生物付着防止対策による発電出力低下の抑制 火力発電、原子力発電
    • 発電効率の向上
    • 気候変動に伴う海水温上昇による発電効率低下の抑制
    短~長期
    • 適時適切な発電設備の保守
    地熱発電における効率的な坑井のスケール除去による発電出力低下の抑制 地熱発電
    • 発電効率の向上
    • 貴重な水資源の有効活用
    • 健全な水環境の維持
    短~長期
    • 適時適切な発電設備の保守
    資源効率 電源種の多様化、革新的技術の実用化など化石燃料価格高騰の際の対応力強化 水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電
    • 化石燃料の使用抑制
    短~長期
    • 泊発電所の早期再稼働、再稼働後の安全・安定運転
    • 再生可能エネルギー開発推進
    • 火力発電の脱炭素化推進(水素・アンモニア利活用、CCUS活用など)
    評判資本 台風や地震、大雪などの激甚化する台風・暴風雪などの自然災害を想定した訓練や設備対策、災害復旧に係る自治体との協定による電力設備のレジリエンス強化 水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電、送配電
    • 大規模停電の早期復旧による電力安定供給の実現
    • 停電情報の早期提供によるお客さま、地域などとの信頼関係構築
    短・中期
    • 過去事例や新たな知見を踏まえた設備対策
    • 迅速な復旧(訓練など)
    • 自治体などとの協力体制構築、情報発信
    火力発電設備および原子力発電設備設置地域の自治体との協定に基づく環境汚染物質の排出低減 火力発電、原子力発電
    • 環境負荷の低減
    • お客さま、地域などとの信頼関係構築
    短~長期
    • 適時適切な発電設備の保守による協定順守
    • 自治体などとの協力体制構築、情報発信
    環境法令およびコンプライアンスの遵守による企業価値向上 水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電、送配電
    • 有害化学物質などの適切な処理
    • 環境への適切な取り組みによるお客さま、地域などとの信頼関係構築
    短~長期
    • 事業活動に係る関係法令(環境関連法令を含む)の確認、注意喚起、事例の共有化
    • 研修、eラーニングなどを通じたグループ大での教育の徹底(他社事例、過去事例の活用による徹底)
    サステナビリティパフォーマンス 生態系の保護

    復元

    再生
    既設/新設電力設備における環境影響の低減 水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電、送配電
    • 生物多様性保全への貢献
    • 環境への適切な取り組みによるお客さま、地域などとの信頼関係構築
    短~長期
    • 鳥類の感電防止・衝突防止設備の設置
    • 工事実施時における希少生物の保全
    • 発電所建設箇所における小動物などの棲み家の設置
    植樹・育樹活動を通じた森林再生 共通
    • 生物多様性保全への貢献
    • 環境への適切な取り組みによるお客さま、地域などとの信頼関係構築
    短~長期
    • 希少生物の増殖・保全に資する樹種の植樹・育樹
    • 植樹・育樹活動を通じた林業専修学院との共創による人材育成支援

    実現時期:短期:約5年、中期:約10年、長期:10年超

2.指標・目標

  1. 指標

    (2024年度実績)

    区分 指標 開示項目  
    単位
    気候変動 GHG排出量 Scope1 1,197 万t-CO2
    Scope2 0.1
    Scope3 1,019
    陸上、淡水、海水利用の変化 総空間フットプリント 発電設備、電力流通設備の土地面積(借地含む) 発電設備面積 105,498 千m2
    流通設備面積 108,002
    陸上、淡水、海水利用・変化範囲 火力・原子力発電所取放水温度差 7 ℃以下
    汚染、汚染除去 排水 排水排出量 244.4 万m3
    廃棄物の発生と処理 産業廃棄物の発生量 68.8 万t
    産業廃棄物のリサイクル率 89.7
    放射性廃棄物の保管 原子力発電において安全に貯蔵された放射性廃棄物量

    適切に保管

    プラスチック汚染 廃プラスチック類排出量 0.8 千t
    プラスチック再資源化率 92.8
    非GHG大気汚染物質 NOX発生量 8.5 千t
    SOX発生量 6.4 千t
    資源の利用、補充 水不足地域からの取水と消費 ※北海道は水リスクゼロ 無し
    陸・海・淡水から調達するリスクの高い天然商品の量 発電燃料消費量 石炭 411.6 万t
    重油 26.2 万kl
    軽油 1.5 万kl
    LNG 43.5 万t
    リスク 移行リスクに対して脆弱な資産・負債・収益・費用 自然関連のリスクを含む事業のリスクの管理体制を構築しており、著しく脆弱な資産等はない
    物理リスクに対して脆弱な資産・負債・収益・費用
    自然に対する負の影響により当該年度に発生した多額の罰金、科料、訴訟内容 なし
    機会 機会に係る資本支出、資金調達 グリーンボンドとトランジションボンドの社債発行実績:650億円
    自然に対する正の影響をもたらす製品・サービスの収益の増加・影響の説明 再生可能エネルギー電力供給など、お客さまニーズへの対応
    1. ※1スコープ1:当社事業所からの直接排出(主に火力発電所)、スコープ2:当社が需要家として供給を受けた電気、熱等の使用に伴う間接排出、スコープ3:左記以外の間接排出(主に他社購入電力に伴う間接排出)
    2. ※2スコープ4:従来の製品・サービス(ベースライン)と新たな製品・サービスの温室効果ガス排出量の差分であり、製品・サービスを通じて社会全体の気候変動の緩和(インパクト)への貢献を定量化したもの
    3. ※3対象範囲 H:北海道電力、N:北海道電力ネットワーク、G:ほくでんグループ
  2. 目標

    区分 指標 環境管理項目 目標 目標
    年度
    対象範囲※3
    気候変動 GHG排出量 ほくでんグループのサプライチェーン排出量(スコープ1+2+3)※1 2013年度比で46%削減 2030 G
    2013年度比で60%削減 2035 G
    排出量ゼロを目指す 2050 G
    削減貢献量(スコープ4)※2 150万t 2030 G
    250万t 2035 G
    汚染、
    汚染除去
    廃棄物の発生と処理 産業廃棄物リサイクル率 95% 2030 G
    低濃度PCB含有柱上変圧器の処理 期限内処理 2026
    (法定処理期限)
    N
    プラスチック汚染 廃プラスチックリサイクル率 50% 2026 G
    非GHG大気汚染物質 硫黄酸化物(SOx)発生量の低減 排出原単位0.6g/kWh G
    窒素酸化物(NOx)発生量の低減 排出原単位0.5g/kWh G
    リスク 自然に対する負の影響により当該年度に発生した多額の罰金、科料、訴訟内容 重大な環境法令違反件数 ゼロ G
    1. ※1スコープ1:当社事業所からの直接排出(主に火力発電所)、スコープ2:当社が需要家として供給を受けた電気、熱等の使用に伴う間接排出、スコープ3:左記以外の間接排出(主に他社購入電力に伴う間接排出)
    2. ※2スコープ4:従来の製品・サービス(ベースライン)と新たな製品・サービスの温室効果ガス排出量の差分であり、製品・サービスを通じて社会全体の気候変動の緩和(インパクト)への貢献を定量化したもの
    3. ※3対象範囲 H:北海道電力、N:北海道電力ネットワーク、G:ほくでんグループ

    <環境への取り組み事例>

    取り組み項目 概要(自然影響・財務影響)
    送配電設備における希少生物の感電や衝突を防止するための設備対策、繁殖行為に配慮した工事方法の検討等、生物多様性に配慮した取り組み
    • 感電防止や電線への衝突防止設備の設置によるシマフクロウやタンチョウ等の保護【写真①】
    • 工事実施時における希少生物のカワシンジュガイおよびカワシンジュガイの繁殖に不可欠なヤマメの保全【写真②】
    • 発電所建設箇所における小動物等の住み家(エコスタック)設置
    • 個体識別番号(足環)を付けた希少猛禽類斃死体発見の連絡等、国の保護増殖事業に協力
    • 工事実施前に改変区域の外来種を把握し、種の拡散を防止
    • インクライン工法による天然記念物の原生林の保全
    生態系に配慮した植樹・育樹活動等の取り組み
    • エゾエノキの植樹による国蝶オオムラサキの増殖・保全活動への協力【写真③】
    • 植樹・育樹活動を通じた林業専修学生との共創により、北海道の林業の明日を担う人材育成支援
    • 牧場跡地への在来樹種や広葉樹の植樹および苗のシカ食害対策の技術開発
    • 水源涵養林として社有林を維持管理
    • 周辺生態系を模したエコロジー緑化
    • ブルーカーボンの取り組みで藻場を創出
    産業廃棄物の有効利用に向けた取り組み
    • 石炭の燃焼によって発生したフライアッシュ、クリンカをコンクリート混和材や路盤材として再利用
    • 国が運用する「土砂バンク」への登録による地域内の土砂の活用・循環推進
    • 配電線保守作業等で発生した伐採木を、飼育動物の餌として地元動物園へ提供

    電柱への止まり木の設置

    写真① 電柱への止まり木の設置

    天然記念物のシマフクロウ(絶滅危惧ⅠA・環境省レッドリスト)が電線に接触し感電するのを防止するため、電柱頂部に「止まり木」を設置し、シマフクロウが安全にとまることができる場所を提供しています。一時は絶滅の危機に瀕していましたが、地道な保護活動によって個体数増加の兆しを見せています。

    工事に伴うカワシンジュガイとヤマメの保全

    写真② 工事に伴うカワシンジュガイとヤマメの保全

    工事実施時において、絶滅危惧Ⅱ類(環境省レッドリスト)のカワシンジュガイの保全を行っています。具体的には、水力発電所の放流停止時に干上る可能性のある箇所や、水深が浅く凍結影響を受けそうな箇所に生息しているカワシンジュガイを、水深が確保されている流水部へ移動しています。カワシンジュガイは幼生期にヤマメ(サクラマス幼魚)等に寄生することが知られていることから、ヤマメの保護も同時に行っています。カワシンジュガイは、夏でも水温が20℃を超えない綺麗な川に住むため「清流の貝」として知られており、河川生態系の重要な指標となっています。また、一般的に50年以上生きると言われ、成長するのに非常に長い時間がかかることから、一度消えてしまった貝を元に戻すのは非常に難しいと言われています。

    エゾエノキの植樹

    写真③ エゾエノキの植樹

    準絶滅危惧(環境省レッドリスト)のオオムラサキの増殖・保全活動に協力し、オオムラサキの食樹であるエゾエノキを植樹しています。オオムラサキは、勇ましく美しい姿等から、1957年に昆虫学会によって「国蝶」に選定されています。