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プレスリリース 2011年度

原子力安全・保安院からの指示文書「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた既設の発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価の実施について(指示)」受領 および泊発電所1号機の定期検査状況について

2011年7月22日

 本日、原子力安全・保安院より「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた既設の発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価の実施について(指示)」を受領しました。
 本指示は、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた既設の発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に関する評価手法及び実施計画」に基づき、当社が発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価を行い、その結果について原子力安全・保安院に対して報告することを求めるものです。
 これは、7月6日に原子力安全委員長から経済産業大臣に対し、既設の発電用原子炉施設について設計上の想定を超える外部事象に対する頑健性に関して、総合的に評価を行うことが要請され、これを受けて、原子力安全・保安院が総合的評価に関する評価手法および実施計画を策定し、7月21日、原子力安全委員会の了承を得たことから、本指示文書が出されたものです。
 当社は、今後、泊発電所各号機の状況に応じた評価を行い、原子力安全・保安院に報告致します。

 また、5月31日にお知らせするとしておりました1号機の定期検査工程の見通しについて、上記指示を踏まえ、以下のとおりお知らせいたします。

 泊発電所1号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力57万9千kW)は、平成23年4月22日から8月上旬の予定で第17回定期検査を実施していますが、原子炉容器出口管台溶接部の点検状況から、定期検査期間を延長する見込みとなりましたので、お知らせいたします。

【原子炉容器出口管台溶接部の点検状況】

 今回の定期検査においては、1次冷却材応力腐食割れ(PWSCC)※1対策として、原子炉容器出入口管台溶接部などにウォータージェットピーニング※2工事を実施する計画です。
 この工事のため、事前に当該溶接部内面の渦流探傷検査(ECT)※3を行ったところ、原子炉容器Bループの出口管台溶接部で2箇所(最大指示長さ約9mm)の有意な信号指示※4が認められました。
 この部位の深さ測定を実施するため、超音波探傷検査(UT)※5を行った結果、本日、2箇所のうち1箇所に深さ約4.7mmのごく浅い傷の信号指示を確認しましたが、残りの1箇所については、信号指示は確認されませんでした。

 当該部周辺の板厚約75mmから傷の深さを差し引いても、当該管台溶接部の板厚は、電気事業法に基づく工事計画認可申請書※6に記載している板厚※7を満足しており、原子炉等規制法に基づき経済産業省に報告を要するものではありません。

 なお、原因は、過去の事例と同様、当該箇所に使用されている材料が600系ニッケル基合金であり、1次冷却水中での環境下であることから、PWSCCであると推定されます。

 ECTで信号指示が認められた2箇所について、傷の除去を行うこととしたため、現時点において、約1ヶ月程度の延長を見込んでおりますが、今後詳細に作業工程の検討を行い、定期検査工程の見通しがついた段階で別途お知らせいたします。

 また、定期検査期間の延長に伴う火力燃料費の増加などはありますが、これによる収支への影響は限定的であり、今後経営全般にわたる効率化により、4月公表時の利益水準の確保に努めてまいります。

 なお、今回の事象による環境への放射能の影響はありません。

(平成23年5月31日お知らせ済み)

 当社は、5月31日に確認された原子炉容器Bループの出口管台溶接部の2箇所の傷について除去作業を実施してまいりましたが、7月15日に目視検査および渦流探傷検査(ECT)により傷が無くなったことを確認しました。その後、原因の特定などを進め、原因は当該部を詳細に観察した結果、当初の推定どおりPWSCCであると判断しました。
 傷の除去作業で削った深さは、約2.7mmと約4.8mmであり、当該周辺部の板厚約75mmから傷の深さを差し引いても、当該管台溶接部の板厚は、電気事業法に基づく工事計画認可申請書に記載している板厚を満足しており、原子炉等規制法に基づき経済産業省に報告を要するものではありません。
 今後、当該出口管台溶接部にウォータージェットピーニング工事を行ってまいります。
 今後の作業工程を検討した結果、定期検査の工程については既にお知らせしたとおり約1ヶ月程度延長し、8月中旬に発電再開が可能な状況となりましたが、定期検査で停止中の原子力発電所の運転再開については、本日受領した原子力安全・保安院の指示文書に基づき、当社が一次評価を実施した後に、国が運転の再開の可否について判断することとなります。
 このため、今後、速やかに一次評価を行い、原子力安全・保安院に報告するとともに、原子力安全・保安院の評価および原子力安全委員会の確認などを受け、可能な限り早期に運転を再開できるよう対応してまいります。

  • ※1

    1次冷却材応力腐食割れ(PWSCC)
    加圧水型プラントの1次冷却水中の環境下において、特定の材料(600系ニッケル基合金)に発生する応力腐食割れ(材料、環境、発生応力の3要素が重なって発生する割れ)

  • ※2

    ウォータージェットピーニング
    金属表面に高圧ジェット水を吹き付けることにより、金属表面の残留応力(製造時の加工などにより金属材料内に不均一なひずみが起こることのために、加工などの後に残る応力)を改善する手法

  • ※3

    渦流探傷検査(ECT)
    高周波電流を流したコイルを検査対象箇所に接近させて渦電流を発生させ、欠陥があった場合に生じる渦電流の変化を電気信号として取り出すことで欠陥を検出する検査

  • ※4

    有意な信号指示
    検査対象箇所に渦電流を流した際、検査対象箇所に異常があると、正常な場合と比較して明らかに異なった信号を言う

  • ※5

    超音波探傷検査(UT)
    超音波を使って金属等の内部にある傷を検出する検査

  • ※6

    工事計画認可申請書
    発電所の建設工事を開始する前に機器の詳細設計内容について、国の認可を受けるために提出する申請書

  • ※7

    板厚(必要最小厚さ)
    出口管台厚さ  67.2mm

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