泊発電所3号機 中央制御室非常用循環系動作不能による運転上の制限の逸脱からの復帰について |
2011年9月7日
平成23年9月6日、泊発電所3号機は定格熱出力一定運転中、中央制御室非常用循環ファン定期運転試験※1を行うため、9時51分に、3A−中央制御室非常用循環ファン※2を起動したところ、9時52分に当該ファンが自動停止しました。
中央制御室で状況を確認したところ、当該ファンが起動中には、3A−中央制御室外気取入ダンパ※3が中央制御室と外気を隔離するために全閉にならなければならないところ、当該ダンパが中間開度表示であり、全閉信号が発信されなかったことから当該ファンが自動停止したものと判断致しました。
このため、保安規定に定める運転上の制限※4を満足しないことから、9時52分に運転上の制限からの逸脱を宣言しました。
現場にて確認したところ、当該ダンパは閉状態となっていました。
原因は、調査中です。
今回の事象による外部への放射能の影響はありません。
その後、3A-中央制御室外気取入ダンパを確認したところ、当該ダンパが閉止状態にあっても、ポジションスイッチ※5の調整状態が全閉信号を適切に発信できない状態にあったことから、ポジションスイッチの再調整を実施し、復旧しました。また、ポジションスイッチ以外のダンパ駆動部等については、問題ないことを確認しました。
当該ダンパを復旧後、中央制御室非常用循環ファン2台(3A、3B)の確認運転を行い、正常に動作することを確認したことから、9月7日1時51分に運転上の制限の逸脱からの復帰を宣言しました。
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※1
中央制御室非常用循環ファン定期運転試験
中央制御室非常用循環ファンを起動し、中央制御室非常用循環系のフィルタユニット、各ダンパの開閉状態およびファンの運転状態に異常がないことを確認する試験。 -
※2
中央制御室非常用循環ファン
中央制御室は、通常、外気を取り入れて換気空調しているが、放射性物質が放出するような事故時には、外部から中央制御室への放射性物質の流入を防ぎ、運転員の作業環境を確保するため、外気取入れを止めて換気系統を隔離し、循環空調するが、そのために運転するファンである。 -
※3
ダンパ
風量調整等を目的として流路を開閉するもの -
※4
運転上の制限
保安規定では原子炉の運転状態に応じ、「運転上の制限」などが定められており、保安規定第68条では、通常運転において中央制御室非常用循環系については2系統以上が動作可能であることを規定しており、2台設置している中央制御室非常用循環ファンのうち1台が動作不能になったことから、保安規定で定める運転上の制限を逸脱していると判断した。 -
※5
ポジションスイッチ
ダンパの開状態、閉状態を検知するためのスイッチ
【添付資料】
泊発電所3号機 中央制御室換気空調系統の概要 [PDF:159KB]