宮城県沖地震による泊発電所1、2号機の運転上の制限逸脱および解除について |
2011年4月8日
4月7日23時32分に発生した宮城県沖地震により、北海道と本州を結ぶ北本連系線(60万kW)が自動停止したことより、系統周波数が高くなり、1、2号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力57万9千kW)の原子炉熱出力が約95%まで低下しました。
原子炉熱出力の低下に伴い、23時35分に2号機、23時37分に1号機が、保安規定第31条に定める軸方向中性子束出力偏差が目標値の範囲から外れた※1ことから、保安規定に定める運転上の制限※2を逸脱しました。
保安規定ではこのような場合、原子炉熱出力を90%未満とすることが求められるため、1、2号機では原子炉熱出力を約87%としました。これにより、23時40分に2号機、23時44分に1号機が、運転上の制限を満足する状態に復帰しました。
その後、本日1時37分から1、2号機とも出力上昇を開始し、5時33分に2号機、6時30分に1号機が定格熱出力に到達しました。
なお、3号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力91万2千kW)については、原子炉熱出力が約96%まで出力が低下しましたが、運転上の制限を逸脱することはなく、その後出力を上昇し、本日1時19分に定格熱出力に到達しております。
現在は、1、2、3号機とも異常なく定格熱出力一定で安定運転中です。
なお、今回の事象による外部への放射能の影響はありません。
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※1
軸方向中性子束出力偏差が目標値の範囲から外れた
燃料の燃焼状況の上下方向偏差を中性子束で監視しており、この偏差に対して目標値を定めている。この目標値の範囲を外れたものである -
※2
運転上の制限
保安規定では原子炉の運転状態に応じ、「運転上の制限」などが定められており、一時的にこれを満足しない状況が発生すると、事業者は運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に処置を行なうことが求められる