泊発電所の耐震安全性評価における対応について |
2012年7月17日
「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う泊発電所の耐震安全性評価については、1,2号機および3号機の評価結果を原子力安全・保安院および北海道に報告済みであり、現在、国の委員会等において審議が行われています。
当社は、2012年7月3日開催の地震・津波に関する意見聴取会において原子力安全・保安院から示された、敷地内の断層に関する現状の評価をあらためて整理するとの方針に基づき、本日開催の意見聴取会において、泊発電所敷地内の断層評価について説明します。
説明内容は、泊1,2号機および泊3号機の耐震安全性評価結果報告書等に基づくものであり、概要は以下のとおりです。
- これまでに実施した地形調査結果によると、泊発電所の敷地には新しい時代の活動を示唆する変位地形は認められない。
- 敷地内においては、泊1,2号炉設置許可申請時および泊3号炉設置変更許可申請時に、ボーリング調査、試掘坑調査等を行った結果、11条の断層が認められる。
- これら11条の断層については、断層の走向、傾斜、断層内物質の鉱物組成等により、概ね同時期に形成されたと考えられる断層毎に系統分類を行い、個々の断層の切り合い関係※1も考慮したうえで、系統間の活動時期の相対的な新旧関係を把握し、そのうち、比較的活動時期の新しい断層や他の断層との新旧関係が不明な断層については、開削調査※2を実施した結果、後期更新世※3以降の活動が認められないことを確認している。
- 以上のことから、敷地内に認められる11条の断層は、後期更新世以降の活動は認められず、耐震設計上考慮する断層ではないと評価している。
当社は、引き続き、耐震安全性評価の審議に適切に対応してまいります。
-
※1
断層の切り合い関係
ボーリング調査および試掘坑調査により確認されるそれぞれの断層の相対的な連続性。例えば、A断層がB断層を超えて連続しないとの関係が把握される場合、A断層はB断層に切られていると考えられ、A断層の活動時期はB断層の活動時期より古いと推定される。 -
※2
開削調査
地表からトレンチを掘削し、地表より下に分布する地層の断面を直接露出させ、地質観察を行う調査。 -
※3
後期更新世
日本地質学会等によれば、12.6万年前から1.17万年前と定義されている。「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」では、耐震設計上考慮する活断層について、「後期更新世以降の活動が否定できないもの」としている。