泊発電所 耐震安全性評価における「原子力安全・保安院として考える課題」を踏まえた地震動評価結果について |
2012年4月23日
当社は、平成24年2月28日の原子力安全・保安院の地震・津波に関する意見聴取会における「原子力安全・保安院として考える課題」を踏まえ、以下の対応を行うこととし、本日、同院の意見聴取会で説明しました。
<原子力安全・保安院として考える課題>
- 岩内堆周辺の断層群の南方及び黒松内低地帯の断層群の北端における更なるデータの拡充が必要である。
- 現時点で、陸域への延長が否定できないのであれば、活断層長さを更に陸域へ延長して評価したもので、地震動評価を行うべきと考える。
<今後の対応>
- 陸域及び海域の追加の地質調査
- 敷地前面海域の連動断層の南方(岩内堆周辺の断層群の南方)にあたる弁慶岬西側沿岸部において、地形調査、地表地質踏査、ボーリング調査、海上音波探査を行います。
- 黒松内低地帯の断層群の北端にあたる寿都湾沿岸部において、地形調査、地表地質踏査、ボーリング調査、反射法地震探査及び海上音波探査を行います。
- 陸域の地質調査(地形調査、地表地質踏査、ボーリング調査、反射法地震探査)期間は、2~3ヶ月程度を想定しています。
- 海域の地質調査(海上音波探査)は、今後、関係各所と調整のうえ、現地の状況に応じて、調査数量、工程等を決定していくため、現時点において、海域の地質調査の完了時期について示せる段階にありませんが、できるかぎり早期に完了できるよう、鋭意調査を実施していきます。
- 地震動評価
- 地震動評価は、追加調査により敷地前面海域の連動範囲の南端が確認されるまでは、追加調査と並行して、「敷地前面海域の連動断層」の南端を陸域まで延長した評価範囲約98kmの地震動を評価します。
なお、参考として、念のため、「敷地前面海域の連動断層」と「黒松内低地帯-八雲断層」との同時活動を考慮した地震動も評価します。(評価範囲約160km) - 評価範囲約98kmの地震動評価は4月中旬を目指しており、念のために実施する「敷地前面海域の連動断層」と「黒松内低地帯-八雲断層」との同時活動を考慮した地震動評価は、それより少し遅れる見込みですが、できるかぎり早期に完了できるよう、検討を進めていきます。
- 地震動評価は、追加調査により敷地前面海域の連動範囲の南端が確認されるまでは、追加調査と並行して、「敷地前面海域の連動断層」の南端を陸域まで延長した評価範囲約98kmの地震動を評価します。
当社は、皆様により一層安心していただくため、追加調査及び地震動評価を早期に完了できるよう、準備が整い次第、順次実施していきます。
当社は、「原子力安全・保安院として考える課題」を踏まえた対応として、「敷地前面海域の連動断層」(評価範囲約98km)の地震動について評価しました。
また、念のために実施するとしていた「敷地前面海域の連動断層」と「黒松内低地帯-八雲断層」との同時活動(評価範囲約160km)を考慮した地震動についても評価しました。
評価の結果、泊発電所の耐震安全性評価において策定した基準地震動SSの応答スペクトル※を周期2~3秒程度以上の一部の周期帯で上回りましたが、原子炉を「止める」、「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」といった、安全上重要な機能を有する主要な設備が影響を受ける周期1秒程度以下の周期帯では下回っていることから、泊発電所の耐震安全性は確保されています。
また、泊発電所1号機および2号機の安全性に関する総合評価(いわゆるストレステスト)においても、評価対象設備が影響を受ける周期が、主要な設備と同様に1秒程度以下であること等から、ストレステスト評価結果は変わりません。
これらの地震動評価結果については、原子力安全・保安院にて本日開催されている意見聴取会において説明しています。
当社は、「原子力安全・保安院として考える課題」を踏まえた対応として、引き続き、追加の地質調査を実施していきます。
なお、津波評価においては、いずれも泊発電所の敷地高さを超えないことから、施設への影響がないことを確認しています。
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※ 応答スペクトル
地震動が施設にどのような揺れ(最大応答)を生じさせるかをグラフに示したもの(横軸に施設の固有周期*、縦軸に構造物の揺れの最大値)で、ある固有周期の施設が、地震動に対し最大でどの程度揺れるかを把握できる。*固有周期:
建物などは、地震等の外力を受けたときに、その振動特性に応じて早く揺れるか、ゆっくり揺れるかといった固有の揺れやすい周期を持っており、この固有の揺れやすい周期(単位:秒)をいう。
【添付資料】