泊発電所の耐震安全性評価における追加の地質調査の結果について |
2010年6月3日
「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(以下、耐震設計審査指針)」の改訂に伴い、当社は経済産業省原子力安全・保安院の指示に基づき、耐震設計審査指針に照らした泊発電所の耐震安全性の評価を計画的に実施しました。
2008年3月31日に中間的な取りまとめとして、地質調査結果、基準地震動Ssの策定結果および泊発電所1号機の主要施設の評価結果について経済産業省原子力安全・保安院および北海道に報告しました。また2008年10月7日に3号機、2009年3月30日に1・2号機の耐震安全性評価結果を原子力安全・保安院および北海道に報告しました。
(2008年3月31日、2008年10月7日、2009年3月30日 お知らせ済)
当社は、泊発電所の耐震安全性評価では、これまで泊発電所敷地周辺の陸域において地形調査および地表地質踏査等を、海域において海上音波探査を実施し、耐震設計審査指針に照らして適切に評価を行っています。この耐震安全性評価結果については現在、国の委員会等において審議されています。
当社は、これまでの当社の評価は適切であると考えていますが、積丹半島西岸部の泊村付近から神恵内村付近までの、約12万5千年前の海成段丘面等に関する当社の評価の客観性をより高めることを目的に、更なるデータの拡充を図るため、追加の地質調査を実施することといたしました。
(2010年2月19日 お知らせ済)
当社は、積丹半島西岸部の泊村付近から神恵内村付近までの約12万5千年前の海成段丘※1(以下、当該段丘)に関する当社の評価の客観性をより高めることを目的に、更なるデータの拡充を図るため、2010年2月末より地形調査、地表地質踏査、ピット調査、ボーリング調査を実施し、このたび、調査結果を取りまとめましたのでお知らせします。
調査の結果、泊村付近から神恵内村付近までの海成段丘堆積物※2、基盤岩※3等の分布より、当該段丘の分布標高に不連続や系統的な隆起傾向は認められないことを確認しました。
この結果は、泊村付近から神恵内村付近までの当該段丘の標高差はほとんどないとする、これまでの当社の評価を更に裏付けるものです。
なお、この海成段丘について、泊村付近から神恵内村付近までの主要な地点において、海成段丘堆積物より上の地層から洞爺火山灰※4を検出し、海成段丘が約12万5千年前に形成されたものであることを確認しました。
当社は、この調査結果を含めた当社の評価の妥当性について、今後、国の委員会等において説明し、確認していただくことを考えています。
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※1
海成段丘
過去の海水面が高い時代に堆積または侵食により形成された平坦面が、海水面の下降および陸の隆起により、現在、陸に階段状の平地として残っている地形。 -
※2
海成段丘堆積物
海成段丘を構成する堆積物。 -
※3
基盤岩
海成段丘堆積物に対して下位に分布する岩盤。 -
※4
洞爺火山灰
洞爺カルデラから約11万年前に噴出した火山灰。
【添付資料】
泊発電所の耐震安全性評価における追加の地質調査結果の概要 [PDF:41KB]