ヒートポンプ空調システム
北海道の空調は、これまで暖房が主で、化石燃料を使用したボイラーやヒーター系の蓄熱暖房器やパネルヒーターなどの輻射暖房が多く採用されてきました。近年では、-25℃のマイナス外気温でも運転できる暖冷房ヒートポンプが開発されたことにより、寒冷地である北海道においてもヒートポンプ空調システムによる暖冷房文化が普及しています。
ヒートポンプ空調システムの仕組み
ヒートポンプとは空気熱や地中熱などの再生可能エネルギーや未利用エネルギーなどを利用して、温熱や冷熱を作り出す機械です。空気熱や地中熱などの熱エネルギーを取得することで、少ない電力で暖冷房を行うことができる高効率なシステムで、お客さまの省エネ・CO2削減に大きく貢献します。
エアコンを代表としてヒートポンプ空調システムにはさまざまなバリエーションがあり、暖冷房のスタンダードとなっています。
多彩なヒートポンプ空調システム
空調システムは個別分散空調システムとセントラル空調システムに大別されます。
規模別の空調システムは、中規模以下の場合は制御性の良い個別分散空調システム、大規模の場合はセントラル空調システムが一般的な方式となっています。
なお、大規模の場合では、セントラルと個別分散の特徴を活かした併用システムも多く見られます。
北海道の空調の特徴として、除霜運転時の室内温度低下の影響から、除霜時間が短く、運転継続時間も長い「寒冷地向けヒートポンプ空調機」の利用やインテリア空調とペリメーター空調の系統を分けて室内機を同時に止めないゾーン配置も見られます。
個別分散(ビル用マルチ、パッケージエアコン等)空調システム
セントラル(ヒートポンプチラー等)空調システム
蓄熱システム
氷蓄熱式空調システム、水蓄熱式空調システム、躯体蓄熱式空調システムは、ヒートポンプを夜間に運転し、氷、水、躯体等に冷熱や温熱を蓄熱することで、昼間に空調で使用する電力の負荷移行を行うことができる空調システムです。蓄熱システムを利用することで、昼間に発生する電力デマンドを抑制することも可能になります。
氷蓄熱式空調システム、水蓄熱式空調システム
躯体蓄熱式空調システム
地中熱ヒートポンプシステム
地中熱ヒートポンプシステムは安定した地中の温度を利用したヒートポンプシステムです。地下10m以深の地中の温度は年間を通して約10℃と安定しているため、システムとして暖冷房共に非常に高効率な利用が可能となっています。また、室外機を設置する必要がないため、他の熱源方式と比べても、長寿命でメンテナンスが容易なことも大きな魅力の一つです。
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暖冷房のエネルギー消費量
暖冷房のエネルギーの消費割合は、家庭用・業務用とも全体の約3割を占めており、省エネ・CO2削減対策にとって最も重要な分野です。
北海道においては、寒い地域特性から化石燃料を使用した燃焼暖房設備が多く導入されているため、暖冷房分野における省エネ効果は他地域に比べ暖冷房のエネルギー消費やCO2排出量は大きいものと考えられます。
消費やCO2排出量は大きいものと考えられます。
<家庭用のエネルギー消費割合>
<業務用のエネルギー消費割合>
出典:財団法人日本エネルギー経済研究所