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燃料のリサイクル

原子燃料サイクル

原子力発電所で使い終わった燃料には、まだ使える資源(ウランやプルトニウム)が約95%も残っています。これらを再び燃料として利用(リサイクル)し、原子力発電所で使用する流れを「原子燃料サイクル」といいます。
資源に乏しい日本において、国は、エネルギー基本計画の中で「原子燃料サイクルの推進」を掲げています。

【原子燃料サイクル】

原子燃料サイクル

プルサーマル

原子力発電所で使い終わった燃料(使用済燃料)から取り出したプルトニウムを利用し、新しい燃料(MOX燃料)を作ります。

このMOX燃料を原子力発電所で再び使うことを「プルサーマル」といいます。

「プルサーマル」とは、「プルトニウム」と「サーマルリアクター(軽水炉:原子力発電所)」の2つを合わせた造語です。

【MOX燃料の流れ】

MOX燃料の流れ

出典:電気事業連合会「プルサーマルQ&A」

プルトニウムの発電割合

ウラン燃料だけを使用している現在の原子力発電所でも、プルトニウムは発電の途中で発生し、発電量の約30%を担っています。プルサーマルでは最初から燃料にプルトニウムが含まれていることから、プルトニウムによる発電量の割合が約50%となります。

【ウランとプルトニウムの発電割合】

ウランとプルトニウムの発電割合

プルトニウムはすでに発電の役に立っています。

MOX燃料の概要

MOX燃料は、ウラン燃料と同様に陶器のように焼き固め(ペレット)、燃料被覆管に密閉し、燃料集合体に加工します。MOX燃料は、形や大きさはウラン燃料と全く同じで、発電のしくみも変わりません。

【ウラン燃料とMOX燃料の比較】

ウラン燃料とMOX燃料の比較

プルトニウムの平和利用

日本は、原子力基本法の精神に則り、核物質の平和利用に徹しています。そのため、国際的な取り決めによる国際原子力機関(IAEA)の査察を積極的に受け入れ、核物質の利用に関し万全の管理体制をとっています。
プルトニウムは核兵器の材料にもなるため、日本では余剰のプルトニウムを持たないことにしており、このためにも、プルサーマルを計画的に実施していくことが必要です。

【核兵器の不拡散に関する条約の概要】

核兵器の不拡散に関する条約の概要

プルサーマルの実績

世界では1960年代からプルサーマルが行われ、6,000体以上のMOX燃料の使用実績があります。
日本では、九州電力(株)玄海原子力発電所3号機、四国電力(株)伊方発電所3号機、東京電力(株)福島第一原子力発電所3号機、関西電力(株)高浜発電所3号機などでMOX燃料を使用した実績があります。

【世界のMOX燃料使用実績】

世界のMOX燃料使用実績

出典:電気事業連合会「プルサーマルQ&A」